病気そして介護

H14.1.23(水)
シートに薄い血が。
どこから出たのか探すと左耳から薄い血の混じった汁が出ていて、
顔が傾いてきた。
病院で診てもらうと、耳の奥に炎症あり。
念のため血液とフィラリアの検査。耳以外は老犬にしては
、珍しく悪いところなしって!良かった〜。
耳の飲み薬とさし薬もらう。

この日から、病院で何を聞かれでもいいように
日記をつけ始めました。

H14.2.1(金)
朝食を食べてる途中、左前足、後足に痙攣をおこす。
立って歩く事が出来なくなり、ランの眼も生気を失くしている。
病院へ、左耳の炎症が脳の方に進行している為 
歩行困難と診断された。寝たきりになるかも・・・
ステロイド系の注射して、飲み薬追加。
帰る途中、抱かれながら暴れて家の中に
ウンチ落としていった・・・。後始末、大変!
でもランは注射が効いたのか、スヤスヤ寝ている。
いつも右を下にして寝ているので、反対に向かせると
眼の焦点が定まらずしんどそう。
夢を見てるのか、動かせない左足をバタバタさせてる。
気持ち良く走り回ってる夢を見てるのかなぁ? 
もう一度、ちゃんと、しっかりと歩かせてあげたい。
夜、しっぽが小刻みに動いてる。ウンチだ!
横になりながらした、初めてのウンチ。
お風呂場で洗いサッパリして眠りについた。
今日からリビングで、ランを間に私(お母さん)と
娘(ねーちゃん)で「川」の字になって
寝ることにした。


この日から覚悟していたランの介護が始まった。

H14.2.4(月)
皆、仕事。昼間、ラン一人になる。
今日からオシメもして、すごく心配・・・
会社に行っても考えるのは、一人で家にいるランのことばかり。
苦しがっていないだろうか、誰もいてない時に死んでたらどうしようとか・・・
考えるだけで胸がかきむしられる想い。
急いで会社から帰宅し、電気をつけて「ラン」と声をかける。
寝ていたのか、うつろな眼をして見た。「ただいま」と頭を撫でて、おしめチェ
ック!
水をあげると、ガブガブと美味しそうに飲む。
それからご飯を食べ、家族が寝るまでずっと起きていた。
ランのご飯は、手作りの雑炊です。
家族皆が、仕事が終わると急いで帰って来る様になった。

H14.2.7(木)
最近のランは、眼がクリクリして私達を追う目つきをする。
とっても可愛い顔で!
朝、家族それぞれが仕事に行く前に、ランの頭を撫でて行った。
ランも頭を上げてこたえていたようだ。
昨夜、隣で寝ているランが手足をバタバタ。しまいにはクォーン、クォーン鳴
いた。
慌てて電気をつけると、オシッコをしていた。それもいっぱい!!
ランは私に「早く変えてよー、気持ち悪いよー」って知らせたのである。
気持ち悪かったんだね。お尻を拭いて、
オシメをしないでそのままにしてあげると、
すぐ眼をつむって寝てしまった。やっぱり、オシメは嫌なのかな?
カワイイ〜。

H14.2.8(金)
昨夜遅くに、おしっことウンチ。ウンチは4日ぶり。
ランは、もよおしてくると「グゥォ〜ン、グゥォ〜ン」と鳴いて知らせてくれる
プライドは持っている!
トイレをするたび風呂場で洗ってあげる。2まわり位小さくなった様に感じる
17sとあんなに重たかったのに、今では片手で支えられる程。
今日は、天気がいいのでベランダにマットを出して日光浴をした。
倒れて以来、散歩は行ってない・・・
夜は病院。あまりいい話じゃなかった
少しきつい薬が一つ増えた。眼の動きが前よりひどくなった様に思う。

H14.2.10(日
ランは相変わらず寝たきり。
ところが夜、いきなり自力で立って4〜5歩、歩いたのです。
まるで産まれたての子牛が立つような感じでした!
その瞬間を見たお母さんとねーちゃんは嬉しくて、
泣きながらランを褒めました。
その後も、ラン自身2〜3回試みていましたが、
すぐ倒れこんでへたっていました。
体力を使うのか息切れしています。
夜、少しの間お父さんと二人になった時、
おしっことウンチを鳴いて知らせたそうで、
今まであまり褒めた事のなかったお父さんが
「こいつは賢いなぁ」って珍しく褒めていました。
ランも今日はお父さんに対する目つきが違うように見え
とっても頼っている目つきです。

H14.2.11(月)
今日は、珍しく大阪でも小雪がちらついていたので、雪が大好きなランを抱
いて
ねーちゃんがベランダに連れ出して見せていました。
ランもなんとなく見ていた様な・・・

H14.2.17(日)
体調がとってもいい!
頭は上げてても、寝たきりで動くことは出来なかったのに
今日はお父さんの布団の所まで
2m程歩いて、しかも立ち止まりUターンしようとこっちを見た得意気な顔。
結局その場でUターン出来ず倒れてしまいましたが・・・
でもあの時のランの顔は明らかに「やったよ!」って顔でした!
あのランの表情は忘れません。

H14.2.18(月)
この2〜3日の間にそこぶる回復力をみせてきた。
自力で立ってキッチンまで歩いてきた!フラフラしながらも・・・
歩いて倒れた後、絶対に皆の顔を見てるの。「どうだった?」みたいに
頑張ってるね!ラン!!

最近あまり食べないので、無理に食べさせるともどしてしまう。

H14.2.19(火)
誰もいない昼間に、ランが起きて歩いてもいいように家具の一部に「プチプ
チ」
(お菓子に入ってる空気の入ったビニール)を貼った。
好きな時に歩いていいよ、ラン!

H14.2.23(土)
法事。一人にするのは心配だし、なるべく一緒にいたいから連れて行く。
おばあちゃんは、ランの元気な姿しか知らないからね。
久しぶり会った、ランの弱々しい姿にビックリしていた。

H14.2.25(月)
ランはとっても元気になってきた!
自力で歩こうとする仕草が多くなってきたの。
ただ、夜中でも横で寝ているお母さんやねーちゃんに
ぶつかりながらゴソゴソするのは勘弁してほしいな〜。
今朝、久しぶりに外へ連れて行った。

H14.2.26(火)
夜ご飯の間、何とか立って食べようとするランの体をお父さんが支えている
間に
お父さんの足元に大きなお土産を落としてくれました。
何にも表情を変えず、前ぶれもなかったのでビックリ!大笑いしました。
ホンマにレディーがなんたることを。

H14.2.27(水)
病院で爪きり。最近、外歩いてないからすぐ伸びちゃうのよね。
手作り料理のため、ランは11.30sになってた。1s300g増えちゃったよ。

H14.3.2(土)
ランは今日も絶好調!!なんと朝から元気よく目覚め玄関まで歩いて行
き、
またUターンしてキッチンまでもどり
今度はねーちゃんの部屋を巡回。
その後、お父さんからミルクとパン、薬をいただいて全て完食〜。
満足気の様子だぁ。

H14.3.8(金)
夕食やオシメ替え等、大変だわ。お父さんは「あぁ〜、腰が痛い」って言って
たよ。
最近のラン、立つのはいいが支えてやると、
全体重を預けるからちょっぴり太ってきた
ランを支えるのはやっぱり大変。オシメもワンちゃん用は高いから、
人間の赤ちゃん用を1個1個しっぽの穴をくり抜いてテープで止めて・・・。
沢山作り置き!この作業も腰が痛いのよ。
でも、お父さんも、お母さんも、ねーちゃんも、
にーちゃんも家族のみ〜んな、
ランが元気になってるのとっても嬉しいよ!!

H14.3.11(月)
ランはとっても食欲旺盛
顔の表情もいつもと少し違う。とってもかわいい顔になってるよ。
眼がはっきりクリクリです。2〜3日前からいつもと反対向き(左を下)にして

しばらくは、そのままでいられるようになった!
ちょっとずつだけど、毎日嬉しい!!

H14.3.17(日)
久し振りに病院へ
体重測ってビックリ!12.6s。わずか一ヶ月半で2.6sも増えてしまいまし
た。
このままでは、足に負担がかかってじん帯を切ったりする恐れがあるので、
ダイエットするようにと言われた。
薬の作用で食欲旺盛になっていたのね。
嬉しくて、食べられるだけあげていたので、知らないうちにブタってました。
お母さん不覚でした。ごめんね、ラン。
これから、一緒にダイエット頑張ろうね。

H14.3.19(火)
食事が少なくなったせいか、夜中に眼をさまし何か欲しがる様な素振り。
ミルクを飲んでも、物足りないのか物欲し気な眼。

H14.3.20(水
昼間、もどす。

H14.3.22(金)
ランの後足がおかしい。力が入っていない。ぶらりん状態・・・
一体何がおこったの?涙があふれてきた。何で?さっきまで立ってたの
に・・・
お母さんが一番に帰って来た時、リビングで寝ていた ということは、
ここまで一人の時に歩いて来たんだ。
でも、台所のコンセントが抜けている。
足をひっかけてこけてその弾みで何かあったの?

H14.3.23(土)
レントゲン検査
お尻のあたりには、いろんな大切な神経が集中していて、
その神経に少し異常をきたしはじめてるらしい。
「おしっこが出にくいかも知れないので、お腹の辺りを押してあげて下さい」
って。
ショックだった。ひょっとしたら、もうこのまま立てなくなり、
寝たきりが始まるのかも・・・
顔はまだ元気そうで、ハッキリとした顔立ちなのに
薬を少し変えました。それによって、食欲が増進するかも・・・
ラン、皆があんたのこと守るからね。
頑張れ ラン! きっとまた立てるよ。

H14.3.26(火)
ランが久し振りに「ワン」っとはっきりした声で吠えた。
この鳴き方を聞くのは、何年振り?
ランにとってその「ワン」は意味は何?何を伝えたいの?
でも、ちょっと感動したよ!ランが「ワン」って吠えることが出来て。
その後の顔 目がパッチリはっきりとして、とっても可愛かったよ。

H14.4.1(月)
夕方、仕事が終わると皆急いで帰ってきていた。
おしっこいっぱいしていて、目がうつろ 力が入らない
しばらく一緒にベランダに出て涼ませてあげた。
ミルク、水、チーズを少しずつ口にした。
2時間程で、やっと普通に戻った。
一人の時はずっと同じ方向に寝ているので、
腕の関節がおかしくなっている。

H14.4.3(水
今日、ランの歩行補助ベルトが届いた。
ラン自身が立ちたいと思っている時は、身体も軽くとても支えやすい。

H14.4.4(木)
夜、抱いた時に「キャイン」って鳴いた。
足が痛かったのか、手が痛かったのか・・・
オシメ替えるのも怖い気がする。
立たせようとしたら右後足がまた、ぶらりん状態に。
触ると少し痛がった感じ
不安がよぎった せっかく回復してきたように見えたのに・・・
歩行補助買ったのに。ラン、頑張れ!もう一度、立って歩こう。
外の空気、季節を感じようよ。

H14.4.5(金)
病院へ。
「手術をしたとしても、この身体では麻酔には耐えられないかもしれない。
保障出来ない。多少の痛みはあっても、このままでいる方が
ランちゃんの為にいいのでは。」と言われた。
その方がいいのかも もうこれ以上、痛いめにあわせたくない。
食欲もないので、流動食になった。注射器で食べるのです。
目の輝きがない。
これからも家族みんなで協力しあって、
ランに出来るだけのことをしてあげよう。
少しでも長くそばにいられる様に。
一番しんどいのは、ランやもんね。
ランは今日も頑張っています。生きようとしています。

H14.4.8(月
今日は誰もいないから、お母さんが休むことに。
今のランを10時間以上もほってはおけない状態だから。
昼間は、あまり眠らないラン 
人の気配がなくなるとすぐ顔を上げて見ようとする。
見つけられないと、かすかな鳴き声をあげる。
「ラン、ずっとここにいるよ」って頭を撫でてあげると
、安心して眠りにつく。
ランなりに不安なんだね。
日光浴をして、ランのベットも干した。
しばらく気持ちよさそうに眩しいのか、目を細めていた。
しばらくこのままにしておこう。
夜ご飯、あまり食べなかった。目ヤニも出てくるようになった。

H14.4.9(火)
病院  目ヤニがいっぱい出て目がくしゃくしゃに。
診てもらうと膜に傷がついて白くかたまりになっている。
これはとれないらしい。目薬と食欲がないので、点滴してもらう。
貧血もきつい。車に乗るとき、痛がって鳴いた。
先生に聞くと、「ランちゃんにしたら相当な痛みを伴ってる」と。
だから最近、昼、夜と鳴き声が近所に聞こえているらしい。
近所迷惑とこれから先のことも考え、
誰もいない長い時間は睡眠薬を与えることに。
なぜかそれを貰うのに、罪悪感を感じた。
そして先生の口から「ランちゃんの命はあと2〜3ヶ月位かも知れません」と
言われた。耳を疑った。何かの間違いやわ、
ランはまだまだ大丈夫。だってランやで!絶対に違う!!
心の中で叫んだ。
ランは診察台の上でいつも通りのカワイイ顔をしていた。
いつもの薬と目薬、そして睡眠薬が渡された。
帰りは、ランの好きなケンタッキーを買って
細かくさいてお湯で洗ってあげると、
すごい勢いでがっついた。嬉しいよ、ラン。
これから、好きなものどんどん食べようね。
夜は、なかなか寝ない。鳴きやまない、痛いの?眠れないの?
睡眠薬を手にしばらく考えた。 
ランを見ながら、少しでも痛みを感じなくてぐっすり
眠れるなら、少しだけあげてみようと。
半分を水と一緒にランの口に入れるとランは水をくれると思い
おもいっきり薬と一緒に飲んだ。
すると、あっという間に目を閉じてしまい、
びっくりしてランをゆすった。力が抜けたように
体がダランとしていた。呼吸はしている。
たぶん薬がすぐに効いたのだと・・・
その様子を見て、涙が溢れてきた。
「ごめんね、ラン」と心でわびた。
寝ながら、おしっこをしていて、
シートを替えたあとも少しずつ垂れ流し状態になっていた。

H14.4.10(水)
朝6:00過ぎ うっすらと目が開いたので
ケンタッキーを口にもっていくと、食べる仕草はした
水も少し飲んだような、でも意識はない感じで
体の自由が利かないようだ。向きを変えてあげた
いつも伸びきっていた右手が、元気な時のように曲げていた。
でも右側の顔の目の膜の曇りは、すごく出ていて痛々しかった。
床ずれしない様に気をつけとかないと。
昼1時過ぎにようやく起きて・・・といっても完全ではなく、まどろんだ感じ。
でもご飯はしっかり食べてくれた、一安心。
あまりにも効きすぎて、おしっこも寝たまましていたから
病院の先生にTELで相談したら
「大丈夫ですよ」ということだった。
ほんとに、昨日は不安でしかたなかった。
なるべく睡眠薬は使いたくないけど・・・

H14.4.11(木)
昨夜は少し苦しんだね、痛かったね。
夜中12時頃から、甲高い声で鳴きはじめた。
どこが痛いの?分からないのがはがゆい
今日も薬を1/4飲ませると、5分程で寝に入った。
ランの体を撫でながら
「ごめんね、これでいいんだよね?痛くないでしょ?ゆっくり寝てね」
と何度も心の中で呟いた。

H14.4.12(金)
夕べは薬なしで過ごすことが出来た。夜中少し鳴いたが、
いつもの甲高い声ではなかった。
顔つきがいつもの顔になってきて、目もだいぶんよくなってきた。
鼻水のようなものと鼻づまりが少し心配。
病院で診察中、呼吸が乱れたので
レントゲンをとると肺炎を患っていた。
初めて知った・・・
「水を飲む時、鼻から水が入ってそれが肺に残ったのでしょう。」と
言われた。もっと、注意しておけばよかった。
夜になると、今までで一番ハッキリとよく「ワン、ワン」鳴いた。
何回も頭を上げたり、皆の顔を見たり・・・
睡眠薬を飲ませると、吐き出した。
何で?今までちゃんと飲んでたのに。
しばらくしても、なかなか寝れなさそうなので、もう一度睡眠薬を飲ませた。
何となく、寝たかな?と思ってるとき、薬を飲んだら動く事はないのに
急に勢いよく頭を上げたかと思うと、バタンとなった。
「どうしたの?ラン?」頭を持ち上げてあげると、
鼻から茶色の汁がダダーと出てきた、
慌てて拭いて「ラン、スッキリした?」と話しかけた時、
呼吸が止まっている!!
パニックになって、「ラン!ラン!!」叫びながら、ランの体を叩いた。
うそやろ 3日前先生が あと2〜3ヶ月って・・・
まだあれから3日しか経ってないじゃないの
信じられない 一体ランの体の中に何が起こったの
お願い!!神様 まだ連れて行かないで・・・

「ラン!駄目、呼吸して!動いて!ラン!目を開けて!ラン!」
あらゆる言葉を発した。
一瞬、「カッ」っと口を開いた!
「頑張って、ラン」 一度目の呼吸。
そして、大きくはいた二度目の呼吸。その後、動かなくなったラン。
無中で、ランの体を叩いた、反応してくれるかもしれないと・・・
お父さんが「もう、やめてやれ」悲しい声で、ささやいた。

H14.4.13(土)
午前0時40分
まだ、柔らかい、温かいラン。でも、もう呼吸は戻らなかった・・・
その日 母は一睡もしないでランに語りかけていた

夜勤で居なかった、にーちゃんにメールした。
午前3時半頃、電話が入った。電話の向こうで涙ぐんだ声で。
始発で帰ってきた、にーちゃんは玄関に入るなり泣いていた。
ランを抱きしめ思いっきり泣いた。
ランもきっと会いたかっただろう・・・

H14.4.14(日)
ランと最期のお別れ
ダンボールで作った棺に入ったランの周りには、
近所のワンちゃん仲間さん達がくれた。お花でいっぱい。
ランが好きだったクリームチーズと牛乳も入れてあげた。
いよいよ、火葬。
ランの体に触れられるのは、これが最期・・・。
また、涙が出できた。1時間半後
完全に骨になってしまったランを見て、また泣いた。
係りの人が、骨のランを見て色々説明してくれた。
お薬を飲ませていましたか?右足が悪かったのですか?とか
ズバリ言われて、ビックリした。
「けど、この年にしたら本当にきれいですね。
散歩もよくされてましたね。
肩の骨の所に穴が開いているので分かります。
嗅覚もまだまだ大丈夫だったようですね。」
臭覚がピンク色に残っていた。ビックリする事ばかりでした。
皆で、足から順にお骨を拾い壺に入れた。
とっても小さくなったラン。これで、楽になったね。
空から私たち家族を見守っていて下さい。

家に帰って、ランのベッドやシート、使っていた物を片付けた。
片付けながらの背中がかすかに揺れていた
悲しいね 動物の死がこんなに悲しいもんだなんて思わなかった

リビングがすごく広く感じられた。

いつも帰ってきたらそこにいてたよね
でも 今は幻を見いてる
『ラン ただいまぁ〜』 そうするとクリクリした目で
私たちを見てくれる
そんな幻を見ています

次の日 通販で頼んでいたものが届いた
それを見てまた 泣いていた
『何で今頃・・・今頃届いても遅いよ・・・ もうこれを使う主は居ないのよ』っ


時折襲ってくる どうしょうもない寂しさ 空しさ 
鼻にツーンと来て 溢れ出てくる涙をぬぐうにはどうすればいいの?

あなたがこれほどまでに私たちの中で大きな存在だったなんて
今頃になって気付くなんて・・・もうおそいよね

寂しい、寂しすぎてどうしていいか分からないよ、ラン・・・